銀座の「補聴器」選び方講座 慶友銀座クリニック
大場院長からのお知らせ
2013/10/8 NHK「ニュースウオッチ9」で大場院長が取材されました。
「補聴器専門家」として親切にガイドします
難聴で当院を受診された方で、どう見てもよい耳に、高額の補聴器をつけられている方がいらっしゃって驚きました。笑い話のようですが、本当の話です。
素人の店員さんしかいない補聴器取扱店で補聴器を買うと、このように聴力に問題のない耳に補聴器をつけてしまうなんてことも、しばしば起きるようです。
補聴器は資格がなくても、メガネ店や電器店などで普通の人が売ってもよいとされている商品です。ですから、話を聞きながら勧めてくれる店員さんの経験値も、店舗の形態もさまざまです。
つまり、補聴器は買い手の側が気をつけないと、たいへんな目に遭うかもしれない高額な買い物なのです。
そこで初めて補聴器購入を考える方のために、補聴器の特許を持つ研究者として、耳鼻咽喉科学会認定の補聴器相談医として、補聴器適合検査施設院長として、銀座・築地地域のみなさまに、望ましい補聴器の探し方をガイドしたいと思います。
小さくてお高い補聴器の性能は?
補聴器を作るときにいちばん大切なこと、それは会話するときに不快感のない補聴器を作ることです。
補聴器には、デジタルやアナログなどいろいろな種類があるように見えますが、基本的な機能は「音を大きくすること」で、それ以上の機能はありません。
大切なのは、補聴器を使うことによって、ご本人が周囲の人と快適にコミュニケーションできるようになるかどうかなのです。
メガネの場合はかければよいだけですが、補聴器の場合は、耳の中には神経の回路がいくつもつながっているため、ぴったり合っていなければとても不快感を感じやすい機器といえます。
ではどうすれば補聴器による不快感を減らせるのでしょうか?
それは、補聴器のスピーカーとしての音質を良くすればよいのです。「音質」の良い理想的な補聴器というのは、ベートーベンが使っていたようなラッパ型の大きな補聴器です。
ところが最近の補聴器は、小さくすることに必死になっているように思います。しかし本体が小さくなれば必然的にスピーカーも小さくなるので、音質はどんどん悪くなってしまいます。それなのに小さな補聴器ほど値段が高いという傾向があります。矛盾しています。
有名な俳優さんを使って宣伝している補聴器は余計に高くなりますし、デパートの貴金属売り場で売っていればやはり値段は高くなります。ですから補聴器の値段と性能は決して比例するものではありません。
少なくとも、「小さくて金額の高い補聴器のほうが良いだろう」という思い込みは改めた方がよいかもしれません。
自分にいちばん合った補聴器を見つける旅
当院は医療機関ですから、「その人にとって一番良い補聴器を探し出すこと」をいつも考えています。
自分にいちばん合った補聴器を見つけるためにはどうすればよいでしょうか。それは色々な種類の補聴器を何度も試して地道に近づいていく以外の方法はありません。
もし補聴器を買いに行っていろいろ試させてくれる取扱店であれば、そのお店は良いお店です。
金額としては、耳穴型であれば20万円前後、耳掛け型であれば10万円前後が標準的な値段だと思います。
そして片方の耳から試されることをお勧めします。補聴器は、確かに両耳にかけるべきものではありますが、片耳にかけるだけでその人が快適に感じるのであれば、納得できる使い心地であれば、それで良いのです。
初めから両耳の補聴器を得るのはおかしなことだと思います。
意外な落とし穴もあります。実は補聴器を使う人にとって一番問題になってくるのは、補聴器の電池の交換の手間です。老眼の方にとっては、補聴器の小さな電池の入れ替え作業はとても大変なことです。そこはよく考えて補聴器を選ぶ必要があります。
ですから、その人に合った使い方、その人に合った大きさは、みなさんそれぞれ違うわけです。
一見、補聴器のような「集音器」「助聴器」と呼ばれるタイプは安く売られていますが、このタイプのモノは当然補聴器と比べれば機能は低いですし、電池代が非常に高くつくようです。きちんとした補聴器を作った方が結局は経済的に安くすむでしょう。
よく、「補聴器を2つ以上買えば安くなる」とか「ひとつオマケします」といった売り方をしている店もありますが、それもおかしいと思います。
耳の構造は、右耳と左耳がつながっているわけではありませんから、右と左で性能やメーカーが違う補聴器を使用して問題はありません。その人の耳にぴったり合った補聴器を探すべきなのです。
だからこそ、少しずつ、いろいろな補聴器を、片耳から試させてくれる。ご本人にあった補聴器を探すお手伝いをきちんとしてくれる店で補聴器をじっくり選ぶことがとても重要なのです。
医師に補聴器の相談をすると何が違うのか
そして一番望ましいのは、お医者さん、それも耳鼻科の医師が担当してくれるところで買うことが望ましいでしょう。
補聴器選定のために最高の知見を持っている医師が補聴器選びのお手伝いをすると、よいことがいくつもあります。
医師であれば、まず第一に「その人の耳の調子がなぜ悪いのか」を考えます。単なる老年性難聴なのか、それとも中耳炎などの耳の病気が原因なのか、実はもっと重篤な病気が隠れているのか、きちんした診断をもとに選ぶことができます。
外耳道は人によって形がずいぶん違います。耳鼻咽喉科の専門医であれば、鼓膜の奥まできれいに掃除して、耳の中のすべての状況を把握してから、その人の耳の形態に合った、最適な補聴器を処方することができます。
居住している地域によっては、自治体が補聴器購入に補助金を出しているケースがあります。東京都中央区の区民に対しては、難聴に対する補聴器の購入について補助金が支給されます。医師は地域のコミュニティーに属しているので、補助金についてはよく把握していますからきちんと案内することができるでしょう。
もちろん当院でも「補聴器専門外来」の時間に、みなさまの補聴器選びのお手伝いをさせていただいております。
あなたに最適な補聴器を選ぶために、ぜひ当院にお越しいただければ幸いです。
補聴器外来
補聴器外来は現在水曜日の午前部に、予約制で行っています。補聴器のご相談は、全日行っています。
慶友銀座クリニック
〒104-0045東京都中央区築地1-13-11高橋ビル2F
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月曜日から金曜日「電話予約有・特殊外来有」(土日祝日休み)
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受付時間 |
(午前)午前9:30~午後1:30
(午後)午後3:00~午後6:30
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各種保険取扱い
東京都知事が指定する、身体障害者福祉法第15条の規定に基づく指定医師(聴覚、平衡機能、音声言語機能、咀嚼機能障害)ですので、難聴についての身体障害者の認定が可能です。